- 教育講演①山岡 憲夫 先生
「在宅緩和ケアの進化―在宅看取り2,000例の現場から―」に対する質疑応答
- 【質問】(患者様の個別状況の情報は省略)
質問1)疼痛時オキノーム、呼吸苦オプソの使い方はあるのでしょうか?
質問2)在宅ターミナルの方で疼痛の訴えはないが倦怠感を訴える方が多い。その時はレスキューの使用等は適応でしょうか。
【回答】
質問1)オプソとオキノームで呼吸苦や疼痛の使い分けがあるか
がん性疼痛にはオプソでもオキノームでも良いと思います(オプソは嘔気が出やすい)。
呼吸苦にはモルヒネが第一選択であり、明らかにオプソ(モルヒネ)が効果があり、オキノーム(オキシコドン)では呼吸苦には効果が少ないことがあります。呼吸苦に対して、オキノームを服用していた患者さんに、在宅でオプソを出しますと、明らかにオプソの方が効果があります。
質問2)がん終末期の倦怠感はほぼ100%に出現します(ちなみに、疼痛は70%前後です)。きつさや、倦怠感には、レスキューの効果は少ないです。効果があるとすれば、これらのレスキューで眠たくなるために、少し効いた感じはします。あくまでも、オピオイドのレスキューは倦怠感には効果は少ないです。
*倦怠感には、ステロイド(デカドロンで2-4㎎、リンデロン0.5㎎4-8T )などで、少しは取れます。ただ、最後の時期の強い倦怠感は、軽い鎮静:ブロマゼパム坐薬(3mg)1個―2個入れると、穏やかになりますし、どうしても強いときは家族と相談して、ドルミカムCSIします。ターミナル時期の強弱はあっても、きつさは必ず出てきます。この時に大切なことは、夜間を十分に休ませるように、眠剤や抗不安薬など工夫して使用し、よく眠れると昼のきつさもかなり軽減します。
また、飲水ができる時期であれば、ストロイド(1-2週間程度)も試してみてください。
- 教育講演② 林 良彦 先生
「緩和ケア医が行うがん教育」に対する質疑応答
- 【質問】
すばらしい活動をされていると思いました。
当院内でもがんサロン等行われていますが、参加する方も限られてきている状況です。
ふぐカフェには何人くらい参加されるのでしょうか。また広報の仕方もおしえて下さると幸いです。
【回答】
質問ありがとうございます。
がん哲学外来「大分ふぐカフェ」は、病院でもない自宅でもない第3の場として公共の施設で開催しています。
なぜならば人の目を気にせず安心・安全な場で自由な気持ちを表現できると思うからです。参加者の感想文はHP(大分ふぐカフェで検索)をご覧下さい。
特に広報はしていません。口コミのみです。
大切にしていることは対面方式でノンバーバルコミュニケーション(双方向)を心がけていることです。したがって多くても10人程度の参加者で限界です。
- 一般演題:口演⑩ 山口 奈央子 先生
「ACPに対する医師の考え方と対応に関する検討」についての質疑応答
- 【質問】
ACPの教育内容を具体的に項目など教えていただけますでしょうか。
当院、神経難病、重心(重症心身障害)のHPです。
今後ACPについて取り組んでいきますのでぜひお教えください。
【回答】
ACPの教育内容についてですが、
・ACPの定義
・ACPの目的・目標
・ACPの当事者は誰か
・ACPの支援者は誰か
・ACPのタイミング
・ACPを行う場所
・どんな内容を話し合うのか
・どのように行っていくか
・侵襲的なACPにしないために気を付けることの確認
項目だけを羅列しますと、上記の通りです。
当院はがん拠点病院で今は主にがん患者のACPについてようやく取り組み始めたところです。
非がん患者に対するACPはまた話が違ってくるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
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- (運営事務局より) ご質問・ご回答 誠にありがとうございました。